転職ノウハウコラム
「SIerから社内SEへ転職すると年収は下がる?」
「仕事内容には興味があるけれど、給与が大きく下がるのは避けたい」
「年収だけでなく、残業や休日、福利厚生まで含めるとどちらが良い?」
SIerから事業会社の社内SEへの転職を考える際、多くの方が気になるのが年収です。
結論からいえば、社内SEへ転職したからといって、必ず年収が下がるわけではありません。
現在の年収、企業規模、業界、役職、担当業務、専門性などによって、年収が上がるケース、ほぼ横ばいになるケース、下がるケースがあります。
また、転職条件を見る際には額面年収だけでなく、残業時間、賞与、各種手当、退職金、休日、勤務地なども含めて比較することが大切です。この記事では、SIerから社内SEへ転職する際の年収の考え方を整理します。
SIerから社内SEへ転職すると年収は下がる?
結論としては、一概に「下がる」とは言えません。
同じ社内SEでも、企業によって給与水準や求められる役割は大きく異なります。
・大手メーカーの情報システム部門
・中堅企業の社内SE
・ERP・基幹システム担当
・ITインフラ・セキュリティ担当
・IT企画・DX推進
・情報システム部門の管理職候補
これらはすべて「社内SE」と呼ばれることがありますが、仕事内容も年収レンジも同じではありません。
「SIerから社内SEへ行くと年収が下がる」のではなく、
「どの企業の、どのポジションへ転職するか」で年収は変わります。
社内SEへの転職で年収が上がるケース
SIerから社内SEへの転職でも、現在より年収が上がる可能性はあります。
1.これまでの専門性が高く評価される場合
例えば、
・ERP・SAP
・基幹システム刷新
・クラウド
・情報セキュリティ
・ネットワーク・ITインフラ
・大規模プロジェクト管理
など、企業が必要としている経験と自分の専門性が合致している場合は、即戦力として評価され、年収が上がる可能性があります。
2.PM・PL経験を活かして上位ポジションへ転職する場合
SIerでPM・PLとしてプロジェクトを管理してきた方が、事業会社側のプロジェクト推進、IT企画、DX推進などへ移る場合があります。
技術者としてだけでなく、プロジェクトを動かす人材として評価されれば、年収アップにつながるケースもあります。
3.より給与水準の高い企業・業界へ転職する場合
年収は職種だけでなく、企業規模や業界の給与水準にも影響されます。
そのため、現在のSIerよりも給与水準の高い事業会社へ転職することで、社内SEへのキャリアチェンジと同時に年収が上がることもあります。
社内SEへの転職で年収が下がるケース
一方、転職によって年収が下がるケースもあります。
1.現在の年収に残業代が多く含まれている場合
SIerで残業時間が多く、時間外手当によって年収が高くなっている場合、社内SEへ転職して残業が減ることで額面年収が下がることがあります。
ただし、その場合には労働時間そのものが減っている可能性もあるため、単純に年収額だけで判断しないことが重要です。
2.未経験領域へのキャリアチェンジになる場合
SIerで開発を中心に経験してきた方が、IT企画や情報システムなど、これまで担当していない領域へ移る場合があります。
企業側から見て入社後に一定の育成期間が必要と判断されれば、現職より低い条件からスタートすることもあります。
3.勤務地や企業規模を優先する場合
U・Iターンや勤務地限定で転職先を探す場合、現在勤務している都市圏と比べて給与水準が異なることがあります。
また、大手SIerから地域の中堅企業へ転職する場合なども、年収が下がる可能性はあります。
年収がほぼ変わらないケースも多い
転職では「年収アップ」か「年収ダウン」かという二択で考えがちですが、実際には現年収とほぼ同水準で転職するケースもあります。
例えば、
現職年収:550万円
↓
転職後年収:540万円~560万円
のように額面年収が大きく変わらなくても、
・残業時間が減る
・年間休日が増える
・転勤がなくなる
・通勤時間が短くなる
・自社システムへ長期的に関われる
など、働き方やキャリアの面では大きな変化になることがあります。
「年収」だけでなく「給与の中身」を確認する
求人票を見る際には、提示されている年収額だけで判断せず、その内訳を確認しましょう。
・基本給
・賞与
・残業代
・固定残業代の有無
・役職手当
・住宅手当
・家族手当
・資格手当
・退職金制度
例えば同じ年収500万円でも、
| 比較 | 企業A | 企業B |
|---|---|---|
| 基本給 | 高い | やや低い |
| 残業代 | 少ない | 多く含まれる |
| 賞与 | 安定 | 業績変動が大きい |
| 退職金 | あり | なし |
このように、同じ年収でも条件の中身は大きく異なります。
残業時間まで含めると「実質的な条件」が変わることもある
年収を比較するときには、働く時間も考えてみましょう。
例えば年収が20万円下がったとしても、毎月の残業時間が大きく減った場合、1時間当たりで見た待遇は改善している可能性があります。
比較したいポイント
・年収
・月平均残業時間
・年間休日
・有給休暇の取得状況
・通勤時間
・休日出勤の有無
・夜間・緊急対応の有無
年収だけでなく、時間・働き方まで含めて条件を比較することが大切です。
社内SEは「残業が少ない」とは限らない
「社内SEに転職すれば残業が少なくなる」と考える方もいますが、企業によって状況は異なります。
例えば、
・基幹システム刷新中
・ERP導入プロジェクト中
・IT部門の人数が少ない
・夜間のシステム切替がある
・障害時の緊急対応がある
・DXプロジェクトが複数進行している
などの企業では、社内SEでも忙しい時期があります。「社内SEだから働きやすい」と職種名だけで判断せず、企業ごとの実態を確認することが重要です。
年収を下げたくない場合は「自分の強み」を明確にする
社内SEへの転職で現在の年収をできるだけ維持したい場合には、企業が評価しやすい経験を整理しておくことが重要です。
・要件定義をどの程度経験しているか
・どのような業務システムに詳しいか
・PM・PL経験があるか
・何人規模のプロジェクトを担当したか
・ベンダー管理経験があるか
・ERP・クラウド・セキュリティなどの専門性があるか
・業界・業務知識を持っているか
・顧客やユーザーとの折衝経験があるか
単に「システムエンジニアを10年経験しました」と伝えるのではなく、
何を経験したか
+
どのような役割を担ったか
+
その経験を転職先でどう活かせるか
を整理することで、より高いポジションや条件で評価される可能性があります。
希望年収はどのように考える?
転職活動では、「最低限維持したい年収」と「希望する年収」を分けて考えておくと求人を比較しやすくなります。
例えば
現在年収:600万円
希望年収:600万円以上
最低希望年収:550万円
ただし、仕事内容・残業・勤務地・福利厚生などによって総合的に検討する
このように幅を持たせておくと、年収だけを理由に本来キャリア上魅力のある求人を逃すことを防ぎやすくなります。
転職条件は「年収・仕事内容・働き方」の3つで考える
SIerから社内SEへの転職を考える際には、次の3つを分けて整理してみると判断しやすくなります。
年収・待遇
+
仕事内容・キャリア
+
働き方・勤務地
例えば、年収が少し下がったとしても、
・上流工程に携われる
・自社システムを長期的に担当できる
・IT企画へキャリアを広げられる
・残業が減る
・転勤がなくなる
のであれば、長期的なキャリアではプラスになることもあります。
反対に、年収が上がっても仕事内容が希望と大きく異なるのであれば、必ずしも満足度の高い転職になるとは限りません。
年収は「社内SEかどうか」ではなく「どの企業で何を担うか」で決まる
SIerから社内SEへ転職すると必ず年収が下がる、ということはありません。
転職後の年収は、
現在の年収
+
これまでの経験・専門性
+
転職先企業の給与水準
+
入社後に担う役割
によって変わります。
だからこそ、「社内SEに転職するといくらになるか」ではなく、「自分の経験を最も高く評価してくれる事業会社はどこか」という視点で求人を探すことが重要です。
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