転職ノウハウコラム

求職者には見えていない「面接官の頭の中」Vol.1 「評価されないから辞めました」――面接官はあなたの自己評価を疑っているかもしれない

求職者には見えていない「面接官の頭の中」Vol.1

「評価されないから辞めました」――面接官はあなたの自己評価を疑っているかもしれない

転職面談で、

「なぜ今の会社を辞めたいのですか?」

とお聞きすると、私たち転職エージェントが思わずもう一歩踏み込んで聞きたくなる退職理由があります。

その一つが、

「頑張っているのに、会社から評価されないんです」

実際に成果を上げているのに評価されない。
仕事が増えているのに給与が変わらない。
後から入社した人の方が先に昇進した。
上司に何度相談しても状況が変わらない。

そんな状況であれば、不満を感じるのは当然でしょう。

そして、ご本人にとって「評価されない」というのは紛れもない転職理由なのだと思います。

しかし、そのまま面接で話すのは少し注意が必要です。

なぜなら、あなたが「会社が評価してくれなかった」という意味で話していても、面接官はまったく別のことを考えている可能性があるからです。

求職者には見えていない「面接官の頭の中」

私たちは日々、転職を考えている方との面談を行う一方、企業の経営者や人事・採用担当者ともお話をしています。

その中で感じるのが、

「求職者が伝えたいこと」と「採用する側が受け取ること」は、必ずしも同じではない

本人としては何気なく話した一言でも、採用する企業側からすると、

「それはどういう意味だろう?」
「もう少し詳しく確認した方がよさそうだ」

と感じることがあります。

このシリーズでは、一般的な「面接での正しい答え方」をお伝えするのではなく、

あなたのその一言を、面接官はどう聞いているのか。

転職エージェントの立場から、少し踏み込んで解説していきます。

第1回のテーマは、「会社から評価されないから転職したい」です。

「評価されない」と聞いたとき、私たち転職エージェントも確認します

たとえば転職面談で、

「今の会社では頑張っても評価されないので転職したいです」

と言われたとします。

私たちも、その言葉だけを聞いて、「それは会社が悪いですね」とは判断しません。

むしろ、いくつか確認したくなります。

「具体的に、何を評価してもらえていないと感じていますか?」

「会社では、どのような評価基準になっていますか?」

「ご自身としては、どのような成果を上げましたか?」

「上司とは評価について話をしましたか?」

「会社からは、現在の評価についてどのような説明を受けていますか?」

「評価を上げるために、ご自身では何か取り組みましたか?」

少し厳しく聞こえるかもしれません。

しかし、「評価されなかった」という言葉だけでは、本当に会社側だけに原因があったのか分からないからです。

面接官の頭の中①「本人の自己評価が高すぎるだけでは?」

面接官の頭の中

「本当に会社が評価していなかったのか?
それとも本人の自己評価が高すぎるだけでは?」

求職者は、「自分はこれだけ頑張ったのに評価されなかった」と考えています。

一方、面接官からすると、「会社から見た本人の評価はどうだったのだろう?」という疑問があります。

仕事を頑張っていることと、会社が求めている成果を出していることは、必ずしも同じではありません。

本人は「十分成果を上げている」と考えていても、会社からすると、
・まだ期待している水準には達していない
・成果は出しているが、管理職としては別の課題がある
・本人が評価してほしい部分と、会社の評価基準が違う

ということもあります。

面接官の頭の中②「評価されるために、何をしたのだろう?」

面接官の頭の中

「不満を感じた後、この人は何をしたのだろう?」

面接官は、退職理由だけでなく、問題が起きたときの行動も見ています。

・評価基準について上司に確認した
・自分に不足している部分についてフィードバックを求めた
・昇進するために必要な経験を確認した
・担当業務を広げるため、自分から提案した

こうした行動を取っているのであれば、面接官の受け取り方は変わります。

逆に、「評価されないと思ったので転職します」だけでは、「自分から状況を変えようとしたのだろうか?」という疑問が残ります。

面接官の頭の中③「うちでも評価に納得できなかったら辞めるのでは?」

面接官の頭の中

「当社でも評価に納得できなければ、また辞めてしまうのでは?」

面接官が退職理由を聞く目的は、前の会社の悪いところを知りたいからではありません。

採用した後、「同じ理由で自社も辞めないだろうか?」を確認したいのです。

中途採用には、求人広告費、紹介手数料、面接時間、入社後の教育など、企業側にも相応のコストがかかります。

だからこそ、「入社しても長く活躍してもらえるだろうか」は非常に重要な判断材料になります。

さらに危険なのは「会社が悪かった」と説明し続けること

面接官から追加質問をされると、

「上司が全然評価してくれなかったんです」

「会社の評価制度がおかしいんです」

「成果を出しても給与が全然上がらない会社でした」

と、さらに会社側の問題を説明したくなる方もいます。

事実として、そうだったのかもしれません。

しかし、説明を重ねれば重ねるほど、別の疑念を持たれることがあります。

「この人は、うまくいかなかった原因をすべて会社や上司に求める人ではないか?」

面接では、「どちらが正しかったのか」を判定してもらう必要はありません。

重要なのは、その環境の中で自分は何を考え、何をして、それでもなぜ転職という選択をしたのか。こちらを説明することです。

面接官は「次の質問」で確かめてくる

もし面接官があなたの退職理由に疑問を感じた場合、そこで話が終わるとは限りません。

「具体的にどのような成果を上げたのでしょうか?」

「会社からはどのような評価を受けていましたか?」

「上司には相談されましたか?」

「評価されなかった理由をご自身ではどう考えていますか?」

「転職以外に改善する方法はなかったのでしょうか?」

追加質問=あなたを責めている、ではありません。

面接官は、最初の回答で感じた疑問を確認しています。だからこそ、表面的に退職理由をきれいな言葉へ置き換えただけでは、追加質問をされたときに説明が崩れてしまいます。

「評価されない」は言ってはいけない退職理由なのか?

では、「評価されなかった」という話を面接でしてはいけないのでしょうか。

そういうことではありません。

・成果を出しても処遇に反映されにくい
・昇進できるポストが限られている
・年功序列が強い
・担当業務が固定されている
・会社の評価制度と本人が目指すキャリアが合っていない

こうした状況であれば、転職を考える十分な理由になり得ます。

問題なのは、「評価されなかった → 不満だった → だから辞める」で話が終わってしまうことです。

大切なのは「退職理由をきれいにすること」ではありません

よくある面接対策では、「ネガティブな退職理由をポジティブに言い換えましょう」と言われます。

もちろん、伝え方を工夫することは大切です。

しかし私たちは、それだけでは不十分だと考えています。

「評価されないから辞めたい」

「より自分を評価してもらえる環境で成長したい」

こう言い換えただけでは、本質的には何も変わっていません。

必要なのは、言葉を取り繕うことではなく、自分自身の退職理由を整理することです。

「事実 → 行動 → 判断 → これから」で整理してみる

「評価されない」という退職理由であれば、次の4つに分けて整理してみてください。

① 事実

何が起きていて、何を「評価されていない」と感じたのか。

② 自分が取った行動

状況を改善するために、自分は何をしたのか。

③ 転職を決めた判断

なぜ現職で改善するのではなく、転職という選択になったのか。

④ これから実現したいこと

次の会社では、どのような仕事・役割・キャリアを目指したいのか。

NG回答と改善例

NG回答

「現在の会社では、どれだけ頑張っても評価されません。成果を出しても給与も上がらず、上司もきちんと見てくれないので、もっと評価してもらえる会社へ転職したいと思っています。」

これでは、「会社への不満」しか伝わりません。

改善例

```

「現在は〇〇を担当しており、△△などの成果を上げてきました。一方で、現在の会社では年次や役職によって担当できる業務範囲がある程度決まっており、今後さらに責任のある仕事へ挑戦する機会が限られている状況です。

上司にも今後のキャリアについて相談し、自分自身でも〇〇の経験を積むなど取り組んできましたが、短期的には役割を広げることが難しい状況でした。

そのため、これまで培ってきた〇〇の経験を活かしながら、今後は△△まで仕事の幅を広げ、より高い役割を担える環境に挑戦したいと考え、転職を検討しています。」

```

「評価されなかった」という事実を無理に隠す必要はありません。

会社への不満ではなく、自分がどう考え、どう行動し、その結果としてなぜ転職を選択したのか。そこまで説明できれば、面接官の受け取り方は変わります。

転職エージェントから伝えたいこと

私たちが転職面談で退職理由をお聞きしていると、

```

「その説明のまま面接で話すと、採用担当者は別の受け取り方をするかもしれない」

と感じることが少なくありません。

```

これは、退職理由を取り繕ってほしいという意味ではありません。

面接官も、転職する以上、現在の会社に何らかの不満や課題があることは分かっています。

重要なのは、「自分が伝えたいこと」だけではなく、「相手にはどう聞こえるのか」まで考えること。

退職理由は、あなたが会社を辞めた理由を説明するだけの質問ではありません。

その回答を通じて、仕事に対する考え方、問題が起きたときの行動、周囲との向き合い方、そして次の会社でも長く働けそうか。

面接官は、さまざまなことを見ています。

「何と答えれば印象がいいか」ではなく、
「面接官はこの話を聞いて何を疑問に思うだろうか?」

という視点を一度持ってみてください。それだけでも、自分の退職理由をこれまでとは違った角度から整理できるはずです。

退職理由の伝え方に迷っていませんか?

```

面接では、退職理由の内容そのものだけでなく、面接官がその回答をどう受け取るかまで考えることが大切です。
共栄経営センターでは、求職者の方のお話を整理しながら、企業側の視点も踏まえて面接対策や転職活動をサポートしています。

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次回予告|求職者には見えていない「面接官の頭の中」

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「給与が低いから辞めたい」――面接官は何を考える?

給与を理由に転職すること自体が悪いわけではありません。では、「今の給料が安いので、もっと給与の高い会社へ行きたい」と伝えたとき、面接官は何を考えるのでしょうか。次回も、求職者には見えにくい「面接官の頭の中」を転職エージェントの視点から解説します。

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