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広島県の職種別求人・求職データを比較【ハローワーク統計から見る仕事の需給】
広島県で転職を考えるとき、「希望する職種の求人はどのくらいあるのか」「同じ仕事を探している人は多いのか」は気になるところです。求人の募集人数が多くても、その職種を希望する求職者も多ければ、仕事探しの状況は違って見えてきます。
今回は、広島労働局が公表している2026年8月分の職業別求人・求職統計をもとに、職種による求人と求職のバランスを比較します。職業大分類11区分に加え、一般事務・IT・営業・介護など具体的な職種のデータや、求人賃金の参考値も紹介します。
有効求人倍率とは? 今回の統計の対象を確認
有効求人倍率は、有効求人数を有効求職者数で割った数値です。例えば、求人の募集人数が200人分、求職者が100人なら、有効求人倍率は2.00倍となります。倍率が1倍を超えると求職者数に対して求人の募集人数が多く、1倍を下回ると求職者数の方が多いことを示します。
ここでいう有効求人数・有効求職者数には、当月新たに受け付けた分だけでなく、前月から繰り越された分も含まれます。つまり、「2026年8月に新しく募集された人数」だけを示しているわけではありません。
今回使用する資料は、広島労働局の「職業別有効求人・求職及び賃金の状況」(2026年8月分)です。対象は広島労働局管内の各ハローワークで取り扱った「常用(パートを除く)」の求人・求職で、学卒および臨時・季節の取扱分は含みません。「常用(パートを除く)」は正社員だけを意味する区分ではなく、ハローワーク以外の民間求人サービスなども含めた広島県内の求人全体を表すものではありません。
2026年8月の職業計は、有効求人数34,043人、有効求職者数24,500人、有効求人倍率1.39倍でした。「有効求人数」は求人票の件数ではなく、募集人数を示します。なお、この1.39倍は今回の対象区分による値で、報道などで使われる季節調整済みの有効求人倍率とは集計対象・方法が異なります。
広島県の職業大分類別・有効求人倍率を比較
まず、仕事の種類を大きく11区分に分けた「職業大分類」で比較します。
| 職業大分類 | 有効求人数 | 有効求職者数 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|
| 管理的職業 | 111人 | 67人 | 1.66倍 |
| 専門的・技術的職業 | 9,134人 | 3,835人 | 2.38倍 |
| 事務 | 2,803人 | 6,472人 | 0.43倍 |
| 販売 | 2,753人 | 1,436人 | 1.92倍 |
| サービス | 4,690人 | 1,988人 | 2.36倍 |
| 保安 | 1,477人 | 179人 | 8.25倍 |
| 農林漁業 | 206人 | 161人 | 1.28倍 |
| 生産工程 | 5,336人 | 1,960人 | 2.72倍 |
| 輸送・機械運転 | 3,039人 | 1,065人 | 2.85倍 |
| 建設・採掘 | 2,647人 | 393人 | 6.74倍 |
| 運搬・清掃・包装等 | 1,847人 | 2,521人 | 0.73倍 |
※2026年8月、常用(パートを除く)。職業区分は平成21年12月改定の日本標準職業分類によるものです。職業名は一部短縮しています。出典:広島労働局「職業別有効求人・求職及び賃金の状況」。
倍率が高いのは「保安」「建設・採掘」
11分類で倍率が最も高いのは保安(8.25倍)で、有効求人数1,477人に対して有効求職者数は179人でした。次いで建設・採掘(6.74倍)が高く、求人の募集人数が求職者数を大きく上回っています。
一方、有効求人数そのものが最も多いのは専門的・技術的職業(9,134人)です。生産工程(5,336人)、サービス(4,690人)も多く、「求人倍率が高い職種」と「求人の募集人数が多い職種」は必ずしも同じではありません。
「事務」は求職者数が求人の募集人数を上回る
事務の有効求人倍率は0.43倍で、有効求人数2,803人に対して、有効求職者数は6,472人でした。運搬・清掃・包装等も0.73倍となっています。ただし、これらは大分類全体の数値です。同じ分類でも、具体的な職種によって状況は異なります。
なお、公式資料の「職業計」1.39倍は、「分類不能の職業」に該当する求職者4,423人も含めて算出されています。職業計の倍率は、上記11分類の倍率を単純に平均した値ではありません。
一般事務・IT・介護など、具体的な職種ではどう違う?
次に、転職先として検討されやすい分野から、代表的な8職種を見てみましょう。こちらは前の表の「大分類」より細かい職業区分で、各大分類の内訳に当たります。
| 詳細職種 | 有効求人数 | 有効求職者数 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|
| 一般事務 | 1,793人 | 5,470人 | 0.33倍 |
| 情報処理・通信技術者 | 928人 | 556人 | 1.67倍 |
| 営業職 | 1,589人 | 694人 | 2.29倍 |
| 保健師・助産師・看護師 | 1,678人 | 768人 | 2.18倍 |
| 介護サービス職 | 2,111人 | 705人 | 2.99倍 |
| 自動車運転職 | 2,412人 | 735人 | 3.28倍 |
| 建築・土木・測量技術者 | 1,346人 | 170人 | 7.92倍 |
| 機械整備・修理職 | 1,205人 | 170人 | 7.09倍 |
※2026年8月、常用(パートを除く)。職業名は一部短縮しています。上の大分類表と重複するため、両表の数値を足し合わせることはできません。出典:広島労働局。
一般事務の倍率は0.33倍と、事務全体の0.43倍よりも低くなっています。ただし、一般事務にも1,793人分の有効求人があるため、倍率だけで「求人がない」と判断するのは適切ではありません。
専門的・技術的職業の中でも、情報処理・通信技術者は1.67倍、建築・土木・測量技術者は7.92倍と差があります。また、介護サービス職は2.99倍、自動車運転職は3.28倍でした。希望職種が決まっている場合には、大分類だけでなく、具体的な職種の数値まで確認することが大切です。
求人賃金はどのくらい? 代表職種の参考データ
求人の需給だけでなく、提示されている賃金も仕事選びの判断材料になります。広島労働局は、同じ資料で職種ごとの求人賃金の下限・上限の平均額を公表しています。
| 詳細職種 | 下限賃金の平均 | 上限賃金の平均 |
|---|---|---|
| 一般事務 | 206,786円 | 251,252円 |
| 情報処理・通信技術者 | 267,502円 | 405,458円 |
| 介護サービス職 | 204,831円 | 242,331円 |
| 自動車運転職 | 231,354円 | 276,113円 |
| 建築・土木・測量技術者 | 268,590円 | 426,277円 |
※2026年8月に新たに受理された求人について、求人票に示された賃金の下限額・上限額をそれぞれ平均した月給相当額(総額)です。前月からの繰越分も含む有効求人数・有効求職者数とは、集計対象が異なります。出典:広島労働局。
例えば、情報処理・通信技術者は下限賃金の平均が267,502円、上限賃金の平均が405,458円です。ただし、この2つの数値は、同じ求人で必ず提示される給与の幅を示すものではありません。 また、実際に採用された人の給与や、その職種で働く人全体の平均月給・年収でもありません。
実際の応募では、基本給と手当の内訳、固定残業代の有無、賞与、労働時間などを個別の求人票で確認しましょう。求人倍率が高い職種でも、希望する給与や勤務条件に合う求人が十分にあるとは限りません。
求人倍率が高ければ転職しやすい?
有効求人倍率は、希望する職種の求人・求職のバランスを知るうえで便利な指標です。しかし、倍率が高いことが、そのまま採用されやすさを意味するわけではありません。
例えば、専門資格や実務経験が必要な職種では、求人の募集人数が多くても、応募要件を満たす人は限られます。また、同じ職種でも勤務地、交代勤務・夜勤の有無、休日、給与などの条件によって選択肢は変わります。
反対に、倍率が1倍未満の職種でも求人自体がなくなるわけではありません。事務職を希望する場合も、一般事務だけでなく、会計事務や営業・販売事務など関連する仕事の内容と応募条件を確認することで、自分に合う選択肢を検討できます。
職種別データを転職活動でどう活用する?
統計は「転職する職種を数字だけで決める」ためではなく、求人を探す際の視野を広げ、比較するポイントを整理するために活用しましょう。
- 希望職種を具体的にする。 大分類だけでなく、実際に担当したい仕事内容に近い詳細職種を確認する。
- 倍率と募集人数をセットで見る。 倍率に加えて求人・求職の実数を確認し、職種ごとの需給状況を把握する。
- 応募条件を確かめる。 必要な経験・資格、勤務地、勤務時間、休日などを求人票で確認する。
- 賃金や通勤条件も比較する。 統計上の平均額だけでなく、個々の求人が自分の希望に合うかを判断する。
ハローワークの統計だけでは、民間求人サービスや企業の採用サイトに掲載される求人を含めた市場全体は把握できません。複数の情報源を組み合わせて検討することも大切です。
【まとめ】倍率と求人の募集人数を組み合わせて考えよう
広島労働局の2026年8月分データでは、職業大分類の有効求人倍率は保安が8.25倍、建設・採掘が6.74倍と高く、事務は0.43倍でした。一方、求人の募集人数が最も多い大分類は専門的・技術的職業の9,134人です。
同じ大分類でも、一般事務やIT、介護、建築・土木関連など、具体的な職種によって需給状況は異なります。職種別データを仕事探しの参考にしながら、経験・資格・勤務条件と合わせて、自分に合う転職先を探してみてください。
参考情報
広島労働局「職業別有効求人・求職及び賃金の状況」(2026年8月分・PDF) 広島労働局「職業別有効求人・求職及び賃金の状況」月別資料一覧※本記事は2026年10月20日時点で公表されている資料をもとに作成しています。掲載した統計値は2026年8月分であり、閲覧時点での個別求人の募集状況や条件を示すものではありません。
